ウスビ・サコ
マリ共和国に生まれ、中国と日本で学び、2018〜2022年京都精華大学の学長を務めたウスビ・サコさんは、グローバル化する世界の中では、個人のアイデンティティを保ちつつ異文化を体験することが大事であると語る。グローバルとは、ヒト、モノ、カネ、情報が国境を超えて自由に行き来することであり、世界中で互いのものごとを共有しながらやっていくことである。そうした世界の中で最も重要なのが多様性で、多様性とは人種、性別、宗教、性的嗜好、社会背景および民族性、個人の違いが存在するということを認識することだ。文化はそこで構成されている人たちが歩み寄ることによって生まれるもので、それは互いに学習しあい、その結果として生じるものだということを、ご自身の体験から解き明かしていく。
ウスビ・サコ
京都精華大学 前学長/全学研究機構長/人間環境デザインプログラム教授

マリ共和国生まれ。 国費留学生として北京語言大学、南京東南大学で学ぶ。
1990年、東京で短期ホームステイを経験しマリに共通するような下町の文化に驚く。91年来日、99年京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門は空間人類学。「京都の町家再生」「コミュニティ再生」など社会と建築の関係性を様々な角度から調査研究している。京都精華大学人文学部教員、学部長を経て2018年4月同大学学長に就任(~3月2022年)を経て現職。暮らしの身近な視点から、多様な価値観を認めあう社会のありかたを提唱している。
主な著書に『「これからの世界」を生きる君に伝えたいこと』(大和書房)、
『アフリカ出身 サコ学長、日本を語る』(朝日新聞出版)など。2025年日本国際博覧会協会 副会長・理事・シニアアドバイザー兼任他。