SUMMARY 第三部
エキソニモ

エキソニモ

ニューヨークを拠点として活動するエキソニモ(千房けん輔氏、赤岩やえ氏によるアートユニット)は、ふたりで対話しつつ、ユーモアについて自身の作品を紹介しながら語ってくれた。千房氏は、ユーモアが発揮される瞬間というのは、普段当たり前のように過ごしている想定内の日常の中からちょっと外れたり超越したりしたときではないか。また、ユーモアには嫌な気持ちや不安などのネガティブな感情も含まれていて、世間や常識に「ゴン!」と何かをぶつけるみたいなアクションでもあるのではないだろうか。そしてそれはアートの役割でもあるのではないか、と述べている。彼らが「IDPW(アイパス)」というグループで始めたインターネットに関係するものを売買するフリーマーケットイベントでは、ネット創世記のような自由でゆるい草の根的な活動が展開されているという。アーティストがそれぞれ「ランダムに勝手なものの見方で勝手にやっている」ことはとても重要なのだ。

PHOTO : Niko
エキソニモ
アート・ユニット
怒りと笑いとテキストエディタを駆使し、さまざまなメディアにハッキングの感覚で挑むアートユニット。千房けん輔と赤岩やえにより、1996年よりインターネット上で活動開始。デジタルとアナログ、ネットワーク世界と実世界を柔軟に横断しながら、テクノロジーとユーザーの関係性を露にし、ユーモアのある切り口と新しい視点を携えた実験的なプロジェクトを数多く手がける。2006年《The Road Movie》がアルス・エレクトロニカ ネット・ヴィジョン部門でゴールデン・ニカ賞を受賞。2012年よりIDPWを組織し「インターネットヤミ市」などを手がける。2015年よりニューヨークに拠点を移す。
exonemo
Artist unit
The Japanese artist unit "exonemo" (by SEMBO Kensuke and AKAIWA Yae) was formed in 1996 on the Internet. Their experimental projects are typically humorous and innovative explorations of the paradoxes of digital and analog computer networked and actual environments in our lives. Their The Road Movie won the Golden Nica for Net Vision category at Prix Ars Electronica 2006. They have been organizing the IDPW gatherings and "Internet Yami-Ichi" since 2012. They live and work in New York since 2015.